馬頭観音祭

各地区で現在も5月8日に行われる行事。「ばとかん」とも呼ばれる。真方一区では「小林城馬頭観世音菩薩祭」、孝の子地区や北西方西の原地区などでは「馬頭観音祭」。各地区とも通常は「ばとかんまつい」と親しまれて歴史は古い。祭壇がしつらえられ、観音様には真新しい注連縄が飾られ、神事で家畜の安全、地区の繁栄、交通安全祈願などが行われ、いろいろな催しから酒宴へとつづく。家畜の有無にかかわらず、近在の人が参加する恒例の地区行事である。地区内の当番の組が世話役となって、守札や絵馬を作って祭りの準備をする。当日は、家畜を飼っている家では守札を買い求め、地区者に貼って牛馬の安全を願う。また、家畜を飼育していない家も、馬頭観音守護神の名の入った札や金紙の幣を買い求めて家に持ち帰り、家内安全・交通安全など家族の安寧を祈る。この日は、農家の楽しいレクリエーションの意味合いの強い一日である。西諸地方、とりわけえびの市内の馬頭観音は、えびの高原の六観音池湖畔の六観音が本地仏であり、5月8日の祭りの日には、老若男女の信者が絵馬を奉納していた。後に、熱心な畜産家たちが分霊を持ち帰って、各地に祀ったものであると『宮崎の祭り 宮崎の自然と文化(10)』(宮崎日日新聞社刊 野口逸三郎・柳宏吉編)で述べているが、同趣旨の話は小林の人々からも多く聞かれた。

出典・参照

小林市史

カテゴリー名:伝統・文化