陰陽石

よろず生産の神」「子宝の神」として知られる夫婦岩。

詳細

浜の瀬川は岩瀬川の上流で、大淀川の一支流、一級河川である。熊本県境の山地を源流として、途中深い谷を作りながら南流する。流域の地質は、熱雲として堆積した火山灰が高熱によって固まった溶結凝灰岩とシラスからなっている。岩に穴を空け、淵を作り蛇行するこの渓谷の下流にそそり立つ石が陰陽石である。
陽石は、高さ17.5m、陰石は、周囲5.5mあり、陽石のかたわらにあり、古くから広く親しまれている、小林の景勝地として、宮崎観光遺産にも選ばれている。
また、昭和4年(1929年)4月、野口雨情が旧制小林中学校・同高等女学校に招かれて、講演のために小林を訪れた。同中学校(現県立小林高等学校)の周りは、東も南も西も田んぼに囲まれており、おりから菜の花が満開であった。その菜の花の風景に雨情はいたく感激したと中丸三郎は著書『小林の移り変わり』の中で述べている。その日、雨情は陰陽石を訪ね、自然の造形に感心し、次の歌を詠んだ。
「浜の瀬川には二つの奇石 人にゃ言ふなよ語るなよ」

出典・参照

小林市史

カテゴリー名:観光